ショアジギングに使うルアーにはどんな種類があるのでしょうか?
魚のいる深さ(レンジ)、魚の特性(大きさ/動きの速さ/口の大きさ/習性)によって使うルアーは変わってきますし、同じ魚でもコンディションが異なると、反応するルアーが変わってきます。
ここではショアジギングで使うルアーの種類を紹介します。
メタルジグ
言わずと知れた鉛やタングステンで出来たジグです。あらゆる深さを探れ、ロッドアクションで色々な動きを付けれるのが魅力のルアーです。一方、重たいジグを一日シャクリ続けるとヘトヘトになります。
重さ、長さ、横幅、厚さ、重心のバランスを変えることで、飛距離、潜る速度、潜り方(お尻からフォール、水平フォール等)、リールを巻いた時のアクションなど、様々な特徴を持ったものが存在しています。
例えば、以下のような物があります。
- 横幅の大きい物は、アクションを止めた時の水平フォールが得意。
- 細長い物は、アクションした時のキビキビとした動きが得意。
- 重心がお尻に近い物は、良く飛ぶ。
- 左右非対称な物は、フォールの姿勢が不規則でリアクションバイトを誘う。
- 重い物は、潮の流れが速くてもアクションさせ易い。
ミノー
プラスティックのボディーの先端にリップが付いていて、リップの長さや大きさによって、リールを巻いた時の潜る深さが変わります(1~2m程度)。
リールを巻かない時に、浮上してくるものを「フローティング」、沈むものを「シンキング」、浮きも沈みもしないものを「サスペンド」と呼びます。
また、リールを巻いたり、ルアーを引いた時に、頭を左右に振る動きを「ウォブリング」、頭を左右にひねる動きを「ローリング」と言い、ウォブリングするルアーは波動で魚を誘い、ローリングするルアーはフラッシング(キラキラ)して魚を誘います。
基本はリールを巻くだけで、ウォブリングやローリングの動きをしてくれるのでメタルジグと比べて操作が楽なルアーです。一方、メタルジグと比べて飛ばない、深い層を探れないというデメリットがあります。
バイブレーション
平らな金属板の下におもりが付いていて、リールを巻くただけでブルブルっと波動が出るルアーです。
金属で出来ているためミノーと比べて、より遠くに飛び、早く沈み、リールを巻いた時に遅く浮き上がります。メタルジグと比べると、メタルジグの方がより遠くに飛び、早く沈みます。
リールを巻くだけでアクションするのでミノーと同様に操作が楽なルアーです。
トップウォーター
水面で動かすルアーを総称してトップウォーターと呼びます。
基本的には、リールを巻いても、巻かなくても沈まないルアーです。
トップウォータで釣ると、魚がバイトする瞬間が見えてドキドキします。
反面、焦って早合わせしてしまう場合もあるので注意が必要です。
ペンシル
リップを持たない真っすぐな形のルアーの総称をペンシルと言います。本記事の中では、水に浮き、巻いても沈まないトップウォーター用の物をペンシル。沈むものをシンキングペンシルと呼んでいます。
トップウォーター用のペンシルは、動きで分けると大きく2種類あります。
1つは、糸をチョンチョンと引っ張った時に、頭を上げ下げして、その場から動かないもので、ストラクチャ(障害物)の際などをネチネチ点で誘うのに使われます。
もう一つは、 糸をチョンチョンと引っ張った時にドッグウォークと呼ばれる頭を左右に振りながら泳ぐ動きをし、波紋を出します。こちらは面を探る時に使われます。
ペンシルは、ポッパーなどと比べるとアピール力が弱いので、水面の穏やかな場所で使います。
ポッパー
ルアーの先端にはリップはなく、カップ状に凹んでいます。
ロッドを引いた時にこの凹みに水が当たって独特の音と水しぶきをあげます。
- ジャーク(*1)した時は「ポコッ、ポコッ!」というベイトを捕食したような大きな音が出ます。
- トゥイッチ(*2)した時は「チャプ、チャプ」というベイトが逃げ惑う音が出ます。
*1:ジャーク:ロッドを手前に早く大きく引くアクション
*2:トゥイッチ:ロッドを小刻みに引くアクション
ショアジギングでは、大型のポッパーを使って波が立っている場所でも使われるようですが、ライトショアジギングで扱う小型のポッパーでは、ペンシル同様に水面の穏やかな場所で使います。
シンキングペンシル
ペンシルとは逆に重たくて水に沈むので、遠投でき、あらゆるレンジを探ることが出来ます。
メタルジグ、ミノー、バイブレーションなどは波動や振動で魚を誘っていましたが、シンキングペンシルはその逆でゆったりとしたナチュラルな動きで(弱った魚演出で)魚を誘います。
動かし方は基本デッドスロー(超ゆっくり)のただ巻きです。
バイブレーションジグヘッド
コアマンVJシリーズに代表されるジグヘッド+ワームです。
#メーカによって、ジグヘッドだったり、ワームだったりするのでコアマンが付けた名前を借りてます。
バイブレーションのように激しく振動はせず、ジグヘッドとシャッドテールのバランスでナチュラルな振動と動きで魚を誘います。
何とも説明がしにくいのでコアマンのコメントを引用します。
多くの経験によって導き出されたジグヘッドデザインと、装着するコアマンワームとのマッチングで、ボディ全体が絶妙に揺れるバイブレーションを発生します。圧倒的な食わせ能力をもつワームが、より細かく振動してシーバスを強烈に誘う。しかもそれがまたぶっ飛びの飛距離なので、完全に反則レベルです。16gのウエイト設定によって水深3mぐらいの浅いレンジを得意とします。スレたシーバスをバイトにまで持ち込むことの出来るこのルアーが、新しい領域を拓きます。VJの圧倒的パフォーマンス。世紀末ベイト的ルアー!間違いないです。
※スイムバランスはワームを刺しかえることで調整してください。
コアマン VJ16の説明より抜粋
動かし方はただ巻きです。
スピンテール
比較的全長が短く、太い金属のボディーにブレードが付いたルアーです。
ただ巻きでブレードが回転して波動を出します。ロッドアクションを入れると、フラッシングします。この二つの動きで魚を誘います。
バイブレーションよりも小さめで重量があるため、より深いレンジに潜り易い特徴があります。
スプーン
ヒラヒラした動きで魚を誘います。
元々、トラウトなどの淡水魚用でしたが、小アジを釣るのに使ってます。
北海道では「アキアジ=サケ科の魚」を釣る時に40g程度のスプーンが使われます。
アイスジグ
凍った湖にあけた穴から釣りをする時に使っていたことからアイスジグと呼ばれています。
ロッドをシャクった時にジグが上下に動くと同時にダートし、このダートの動きで魚を誘います。
泳がせたりはできないので、魚の居場所が分かっている場合の点の釣りで使います。
スピナー
ブレードが回転した時の波動で魚を誘います。
元々、トラウトなどの淡水魚用でしたが、小アジを釣るのに使ってます。
鯛ラバ
鉛やタングステンでできたおもり(ヘッド)に、ゴムやシリコンで出来たスカート、ネクタイが付いています。海用のラバージグですね。
鯛ラバの由来は、鉛玉に短いハリスとエビを付けて鯛を釣る伝統漁があり、そこからルアーに進化したようです。
基本的な使い方は底へ落として一定速度で巻き上げる→止める→落とすか、巻き上げ再開というアクションで、ロッドアクションは不要。
オフショア(船釣り)で良く使われています。ショアからのフラットフィッシュ狙いでも使えます。
インチク
おもりが弾丸みたいな形(マルゴナマリと呼ぶ)をしていて、針とタコベイトが付いています。写真はタコベイトの部分がスカートになってます。
鯛ラバと同じく、漁師さんが使う漁具だったようです。
使い方は鯛ラバと同じ。
弓角(ゆみづの)
くの字に曲がったプラスティックに針とスカート(サビキ針の毛)のようなものが付いた漁具で、漁師が船でトローリングする時に使ってました。
ショアジギングでの使い方は、ジェット天秤か、遠投マウスにリーダ、弓角の順に付けて遠投。その後、高速~中速でリールを巻いてトローリングっぽい事をします。巻く速度によって、表層~中層までを狙います。
メタルジグと違って、弓角の部分は軽いので、食いが良い。仕掛けが長くなるので扱いにくいというデメリットがあります。
海釣ではあまり使われないが知っておくべきルアーの種類
主にバス釣りで使っていたルアーを紹介します。
海水と淡水の違いでバス釣り用のルアーは浮き過ぎるという問題と、バス釣り用のルアーは海釣りの物と比べて全体的に軽いので飛距離が出ないという問題はありますが、タックルとルアーに適したシチュエーションであれば、ライトショアジギングでも使えると思います。
クランクベイト
丸っこい形をしたルアーでミノーよりも浮力が高く、水を大きくかき分けて動くため、ウォブリングし易いルアーです。
リップが障害物に当たった時に巻くのを止めれば、ルアーが直ぐに浮くため、根掛かりしにい特徴を持ちます。
この特徴を利用し、ただ巻き→底に着いたら巻くのを停止→浮いたらまた巻くを繰り返すことで、小魚が底を突くような動きを真似することが出来ます。
スピナーベイト
引っ掛かり易い場所をすり抜けるのに適し、針の反対側に付けられたブレードの回転による波動で魚にアピールします。
基本は狙いたいレンジでただ巻きです。
着水直後にロッドを立てて水面直下をただ巻きするというトップウォータに近い使い方や、着底した後に底スレスレをゆっくり巻く使い方もあります。
ラバージグ
ジグヘッドにラバーやシリコンのスカートをまとったジグです。
ヘッドのおもりの部分の形は、球形のラウンド型、フットボール型、三角錐の形をしたスイミングに適した形などがあります。
ラバージグの針には、根掛かりを防止するブラシガードが付いているものもあります。
ラバージグ単体で使ったり、ワームを付けて使う場合もあります。
フロッグ
ゴミ溜まりや蓮(ハス)が生い茂った場所など、水面が覆われている場所の隙間をぬってトップウォーターを狙う時に使うルアーです。
針は引っ掛からないように工夫されています。
バズベイト(トップウォーターの仲間)
水面又は水面直下を狙う時に使うルアーです。
スピナーベイトにプロペラが付いたような形をしており、プロペラが水をかいて大きな音と水しぶきをあげながら魚にアピールします。
ノイジープラグ(トップウォータの仲間)
水面を狙う時に使うルアーです。
左写真のプラグは、左右に水かきのようなものが付いており、ルアーを引くと、左右交互に水面を叩くような動きをして音と水しぶきをあげながら魚にアピールします。
ビッグベイト
名前の通り、他のルアーと比べて大きなルアーです。
胴体が複数のパーツに分かれていて、尾っぽにヒレを模したワームやシャッドテールと呼ばれる少し丸みを帯びたワームが付いていることが多いです。
ボディーをクネクネさせながら泳ぎ、水面直下から1m程度の範囲を探るのに適しています。
まとめ
今回の記事では、ショアジギングで使うルアーについて、その概要を説明しました。
「そんなルアーがあるんだ」と知っていただけたら幸いです。
全ての種類を揃えて盤石な体制を整えるに越したことはないですが、1日に投げれるルアーの個数、サイズ違い、色違い、メーカ毎の動きの違いを揃えるとなると大変ですので、徐々にルアーの数、釣りの幅を広げることをおすすめします。
今後の記事では、最初に揃えるルアー、種類毎の詳細な使い方やおすすめルアー、ワームの種類などについて記載して行こうと思います。